なぜ、あなたの指示は部下に届かないのか?「誰が言うか」で決まるリーダーシップの正体

採用・人材戦略

お疲れさまです~!

突然ですが、先日、配属されたばかりの主任が、事務室でこんな話をしていました。

「アルバイトの〇〇くんに注意をしたら、反論されたんです……」

うんうんと話を聞いていくと、アルバイトの〇〇くんは、

・まだ当店のことをほとんど理解できていない
・それでも現場では、周囲の仕事をカバーする場面が多い

そんな状況の中で、上司から注意を受けたことで、
「自分ばかり責められた」と感じ、

ムッとしてしまったようでした。

配属からまだ1ヶ月未満という点を踏まえると、もう少し様子を見てあげたい部分もあります。

ただ、今回に限らず、
現場では部下のマネジメントに頭を抱える場面は本当に多いですよね。

そこで今回は、

1)なぜ部下は、上司についていくのか?
2)どうすれば、部下に対してリーダーシップを発揮しやすくなるのか?

この2点について、少し整理してみたいと思います。


現場リーダーが部下を動かす影響力の5類型

え? いきなり何の話?
反〇会的勢力??……ではありません。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実はビジネスの世界ではよく使われる考え方です。

これを知っておくと、
「なぜあの上司の言うことは通るのか」
「なぜ同じ注意をしても反応が違うのか」
が整理して理解できるようになります。

社会的勢力とは、社会心理学者のフレンチとレイヴンが提唱した5類型のことで、

「他者の態度や行動に影響を与えることができる力」

という意味です。

現場向けに言い換えると、「部下が上司の言うことを聞こうと思う理由」と考えてもらうと分かりやすいと思います。

この社会的勢力は、主に次の5つに分けられます。

現場リーダーが部下を動かす影響力を表した図表

……こう書くと、少し分かりにくいですよね。

私なりに、現場感覚で言い換えると、こんなイメージです。

  • 報酬勢力 「頑張ったら時給上げてくれるかも」
  • 強制勢力 「言うこと聞かないと怒られる」
  • 正当勢力 「上司の言うことだから、とりあえず従う」
  • 専門勢力 「この人、仕事が本当にできる」
  • 準拠勢力 「この人なら、ついていきたい」

ここで大事なのは、
上司がどう思っているかではなく、部下がどう感じているか
という点です。


現場で実感する「勢力ごとの限界」

長年、現場に立ってきた私の実感ですが、

  • 報酬勢力:短期的な効果に留まりやすいです。しかも、そう簡単に時給は上げられません。
  • 強制勢力:表面的には上司に従う姿勢を見せる。ただし、上司の見えないところでサボる・手を抜く原因になります。
  • 正当勢力:これだけで動く部下は、以前より明らかに減っています。「上司だから」という理由だけでは、人は動きません。

その中で、

  • 専門勢力
  • 準拠勢力

この2つが、現場では非常に重要だと感じています。

特に、一番効果が持続するのが準拠勢力です。


「誰が言ったか」がすべてを左右する

部下に対して、
どれだけ正論を言っても、
どれだけ立派な言葉を使っても、

部下が無意識に見ているのは、

「何を言ったか」より「誰が言ったか」です。

この「誰が言ったか」を支えている1つが、まさに準拠勢力です。


準拠勢力が強い上司の共通点

準拠勢力は、一朝一夕で身につくものではありません。日々の行動の積み重ねで、少しずつ作られていきます。

例えば、

  • 小さな約束でも必ず守る
  • 立場の弱い人にも態度を変えない
  • 楽な道より、正しい道を選ぶ
  • 口だけでなく、自ら動く
  • 忙しくても、人の話を最後まで聞く

こうした行動が積み重なった結果、「この人なら大丈夫」という信頼が生まれます。

ここで注意したいのは、「自分では出来ているつもり」では意味がないという点です。

部下から見て、そう感じてもらえているか。
それがすべてです。

日常の行動としては、

1)日頃から、短くてもコミュニケーションを取る
2)結果だけでなく、過程も拾って言葉にする
3)困っているときは、放置せず一度は声をかける
4)上司・部下、誰に対しても態度を変えない
5)ベテラン・新人を区別せず、公平に接する

どれも特別なことではありませんが、継続できている上司は意外と少ないのが現実です。

「分かっているけど、最近できていないな」と感じた方は、ぜひ明日から一つだけでいいので意識してみてください。

それだけでも、部下との関係性は確実に変わってきますよ。